あらゆるインフルエンザに効くワクチンの開発に期待
近畿大学は11月8日、あらゆるインフルエンザに効くワクチンの開発につながる感染を防御する細胞の蓄積場所を世界で初めて特定できたことを発表した。
この発表は近畿大学免疫学教室の高村講師、千葉大学、大阪大谷大学、米国エモリー大学などによる共同研究によるもので、「Journal of Experimental Medicine」に11月4に掲載されたとしている。
インフルエンザは感染力の強い流行性感冒の1つだが、予防のワクチンはウイルスの表面タンパク質を標的としているため、特定のインフルエンザの型にしか効果がないのが現状だ。
期待世界で初、肺での集積部位を特定
そこで、近畿大学らの研究グループはウイルスを体内で破壊するCD8陽性T細胞に注目し、ウイルスに感染したマウスの肺に感染を修復しようと細胞集塊(以下、RAMD)に局在していることと、二次感染を防ぐために機能していることを突き止めたとしている。
また、RAMDに記憶T細胞が維持されるには、ウイルスの抗原が残存することが必要であるということも判明したという。
CD8陽性T細胞は、ウイルスを排除した後、T細胞の一部が記憶し感染を予防することが知られていたが、肺での集積部位はまだ不明であった。
効果的に誘導・維持ができれば複数のインフルエンザ株に対して有効なワクチンの開発につながるとしている。

近畿大学 ニュースリリース
http://www.news2u.net/releases/150046