表皮水疱症に対する有効性を検討
JCRファーマ株式会社は、11月1日、大阪大学附属病院が実施する医師主導型臨床試験に対して協力すると発表した。
同試験は、同社が本年2月24日に発売した「テムセルHS注」を用いて実施されるもの。表皮水疱症に対する有効性および安全性が検討される。
急性移植片対宿主病の治療製品として開発
「テムセルHS注」は、JCRファーマが2003年に米国オサイリス社より技術導入した薬剤。JCRファーマは日本国内において、造血幹細胞移植後に発症する重篤な合併症である急性移植片対宿主病の治療製品として、同剤の開発を進めてきた。
同剤は、拡大培養したヒト間葉系幹細胞を静脈内に投与し、その細胞自体が有する能力を利用して疾病を治療するというもの。また、他家細胞であるにもかかわらずヒト間葉系幹細胞自体の免疫原性が弱いため、通常の医薬品と同様に必要とされる患者へ広く投与できるという利点も持つ。
表皮水疱症患者のQOL改善のため
表皮水疱症は、四肢末梢や大関節部といった外力を受けやすい部位において、軽微な外力により水疱やびらんが生じるという、遺伝性の重篤な希少疾病。現段階では、有効な治療法は存在しない。新しい治療法の開発が望まれていた。
JCRファーマは今回実施される試験を通して、「テムセルHS注」が難病である表皮水疱症に苦しむ患者のQOL改善に繋がることを期待し、支援していくという。

「テムセルHS注」を用いて実施される医師主導型臨床試験への協力について - JCRファーマ株式会社
http://www.jcrpharm.co.jp/news/20161101_4231