パトリツマブが米国での臨床試験に加わる
第一三共株式会社(以下、第一三共)は10月25日、米国での乳がん術前化学療法第2相臨床試験にパトリツマブが加わったことを発表した。
今回行われるのは、乳がんの再発の可能性が高いHER2陽性の乳がん患者に標準治療薬のトラスツマブ(抗HER2モノクロナール抗体)とパクリタキセル(化学療法)の併用と、トラスツマブとパクリタキセル、パトリツマブを併用した場合との比較試験で、12週間投与し、その安全性と有効性を評価するものだとしている。
抗HER3モノクロナール抗体に期待
パトリツマブは抗HER3モノクロナール抗体で、肺がん、乳がん、大腸がん、子宮頸がん、食道がん、肉腫などの固形がんに多く発現していることが知られ、また、予後の不良に関係があるとされているが、HER2に対する治療薬が主流を占めており、HER3の治療薬についてはまだ、数は少ない。
第一三共は今年5月、パトリツマブの非小細胞肺癌患者を対象とした試験で、事前に設定した有効性の基準が満たなかったことから、中止を発表していた。
今回の試験は、FDAや米国国立がん研究所、複数の製薬会社、また、大学病院でバイオマーカーを使用し特定のがん治療薬がどの患者に有効であるかを調べ、化学療法と併用する新たな新薬候補の有効性を比較するとしている。

第一三共株式会社 ニュースリリース
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006541.html