東工大、AIを用いて遺伝子とその機能の相互関係を見つける手法を開発

東京工科大学・応用生物学部の村上勝彦准教授ら研究チームは、10月27日、人工知能（AI）を用いて遺伝子とその機能の相互関係を見つける手法を開発したと発表した。

同研究チームは、ゲノム創薬などへの応用に向けて、学外の研究機関との共同研究を10月より開始したという。

遺伝子が持つ機能の情報は現在、公共データベースに蓄えられ、世界中の研究者に利用されている。しかしこうした情報は、別々に書かれている。生命現象は本来相互に繋がっているものだが、遺伝子に特別な関係があるかどうかについては、これまで解明がなされていなかった。

同研究チームは、こうしたデータベース上の機能情報の中に隠れている相互関係を、「機械学習」させる人工知能技術によって発見する手法を研究。特定の機能を持った遺伝子の多さなどの統計的情報を「非負値行列因子分解」という方法で総合的に解析し、遺伝子や機能情報の間に新たな相互関係を見つけることに成功したという。

同手法を用いることで、AIが遺伝子の相互関係を自動的に探し出すなど、高度な情報処理が可能になることが期待される。また今後は、がんの疾患情報といった他のタイプのデータも加えることで、がんの分子メカニズムの解明に役立つことも期待されるとしている。

加えて、他の生物種などに対象を拡大することで、実験可能な生物の研究が進むことも期待できるという。

（画像はプレスリリースより）




人工知能を用いて遺伝子とその機能の相互関係を見つける手法を開発 - 東京工科大学
http://www.teu.ac.jp/press/2016.html?id=250