乳がん啓発月間に認知・理解度調査を実施
アストラゼネカ株式会社は、乳がん・卵巣がん患者を対象に、「遺伝性乳がん・卵巣がん (HBOC)」に関する認知・理解度調査を実施し、10月21日結果を公表した。
これは、10月の「乳がん啓発月間」に合わせてHBOCの社会的理解向上を目的として行われたもの。
遺伝性腫瘍の一つであるHBOCは、親から受け継がれた特定の病的な遺伝子変異を発症の要因とし、がん抑制遺伝子(BRCA1 あるいは BRCA2)に生まれつき変異があることが原因とされている。以下は、HBOC発症の特徴。
若年性(若年で乳がんを発症)、多発性(片方の乳房に複数回乳がんを発症)、重複性(乳がんと卵巣がんの両方を発症)、遺伝性(BRCA1およびBRCA2遺伝子の変異は、性別とは無関係に、親から子へ50%の確率で受け継がれる)、さらに、家系内に乳がんや卵巣がんを発症した人がいるという点が特徴で、これらはHBOC特有のものである。
自身のがんと関わる可能性があっても、HBOC特有のリスクに対する確率を知る患者は約半数
今回の調査では、乳がん・卵巣がん患者のHBOCの認知度は55.8%で、自身のがんと関わる可能性があっても、その認知は約半数でしかないことがわかった。
また、HBOCを認知していても、HBOC特有のリスクを理解している患者は、若年性:43.1%、多発性:25.9%、重複性:17.2%、遺伝確率:24.1%と、いずれも5割以下にとどまっている。
HBOCを知ったきっかけはマスメディアの報道が6割と、診断や治療の過程で情報を得ている乳がん・卵巣がん患者は多くないことが明らかになった。
調査の中でHBOCの説明を受けた乳がん・卵巣がん患者のうち、約7割が「自分の子どもなど親族のことが心配になった」(32.7%)「自分の乳がん・卵巣がんが遺伝性なのか知りたいと思った」(30.8%)というように、自身のがんのことだけでなく、親族に生じるかもしれないリスクを考えるなど意識に変化を見せている。
今回の調査では、国内の乳がん・卵巣がん患者のHBOC認知・理解度が明らかなり、その結果、本来積極的に情報を享受すべき乳がん・卵巣がん患者であっても、HBOCに対する認知・理解がまだ十分に進んでいないことがわかった。
(画像はプレスリリースより)

アストラゼネカ株式会社 ニュースリリース
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