早期にミトコンドリア病と特定できる
久留米大学と地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター、国立研究開発法人日本医療研究開発機構は、10月20日、診断バイオマーカー「GDF15」の発見・開発について発表を行った。
「GDF15」は、早期にミトコンドリア病と特定できる画期的な診断バイオマーカー。久留米大学医学部小児科学講座と東京都健康長寿医療センターの共同研究グループが発見・開発を行った。
診断するまでに長い時間を要した疾患
ミトコンドリア病は、ヒトが生きるために必須であるATP合成が十分にできなくなる疾患。精神・運動発達遅滞や知的退行、心不全や腎不全、難聴や糖尿病といった臓器の症状を引き起こす。対象患者数は、日本国内で約2000人、世界では約50万人とされている。
同疾患は、臨床的には発症年齢・症状・重症度が様々であり、決定的な検査方法もない。そのため患者は、不要な検査を繰り返すことになる。また、診断するまでに長い時間を要するため、結果的に有効な治療法のタイミングが遅れ、病気が進行するという深刻な問題もあった。
不要な検査を繰り返す必要がなくなる
「GDF15」は、病気を特定できる感度・特異度が98%と高く、世界で最も有用なミトコンドリア病の診断バイオマーカー。これにより、不要な検査を繰り返す必要がなくなるため、早期治療に道が開かれるという。
なおこの発見・開発の成果は、日本医療研究開発機構の難治性疾患実用化研究事業で採択された研究により得られたもの。
(画像はプレスリリースより)

ミトコンドリア病と特定できる画期的な診断方法を発見・開発 早期治療に道 - 国立研究開発法人日本医療研究開発機構
http://www.amed.go.jp/news/release_20161020.html