無増悪生存期間が2.8カ月も延長
アストラゼネカの英国本社は2016年10月8日に発信したプレスリリースで、第3相FALCON試験結果により、乳がん患者の1次治療における標準治療であるアリミデックス(アナストロゾール)とフェソロデックス(フルベストラント)の比較において、フルベストラントが優れた無増悪生存期間(PFS)中央値を示したことを発表した。
この試験結果は2016年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)において発表し、具体的には、フルベストラント群におけるPFS中央値は16.6カ月、アナストロゾール群では13.8カ月となり、フルベストラントの方が2.8カ月長い結果になったことを示した。
FALCON試験とは
FALCON試験はアナストロゾールと比較してフルベストラントが6カ月近くの全生存期間中央値を示した第2相FIRST試験の良好な結果を基に設計した多施設共同無作為化二重盲検第3相試験のこと。
今回の試験は、ホルモン療法による治療歴のないHR陽性局所進行または転移閉経後乳がん患者に対して、フェソロデックス500mgとプラセボ(アリミデックス)の併用による抗腫瘍効果および忍容性プロファイルを、アリミデックス1mgとプラセボ(フェソロデックス)の併用と比較した。
フルベストラントが進行乳がんの1次治療に
FALCON試験の治験総括医師であるマシュー・エリス教授は「FALCONのデータは、転移乳がん患者にとって重要な目標である病勢進行を遅らせることに関し、フルベストラントの1次治療としての治療効果を実証した。今回の結果はアナストロゾールに対するフルベストラントの優越性を示した過去の試験を裏づけするもので、臨床的に意義があるものでもあり、フルベストラントが進行乳がん患者の1次治療になり得る可能性を示唆している」と述べた。
アストラゼネカはFALCON試験の結果を踏まえ、適応拡大にむけた薬事手続きのため、各国の規制当局と協議中であるとコメントしている。

ニュースリリース
https://www.astrazeneca.co.jp/アストラゼネカ株式会社
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