韓国において独占的開発・商業化することを認める
日本たばこ産業株式会社は、10月14日、同社が創製し開発を進めてきたHIF-PHD阻害薬「JTZ-951」について、韓国のJW Pharmaceutical(以下「JW」)と独占的開発・商業化権に関するライセンス契約を締結した。
HIF-PHDは、Hypoxia Inducible Factor - Prolyl hydroxylase domain containing protein(低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素含有タンパク質)の略。今回の契約は、腎性貧血を適応とする同剤の経口薬を韓国において独占的開発・商業化することを認めるもの。
深刻な合併症である腎性貧血
腎性貧血は、慢性腎臓病(CKD)患者における深刻な合併症の一つ。腎機能障害に伴う腎臓でのエリスロポエチン(EPO)産生能低下が、その主たる要因と考えられている。
腎性貧血による赤血球数の減少に伴う酸素供給不足は、臓器でのエネルギー産生を低下させる。そこから日常生活における運動能や活動性の低下を招き、さらにはQO低下も招く。大規模な観察研究からは、貧血がCKDの進行や心不全の独立した危険因子であるとも考えられている。
内因性のEPO産生を亢進、赤血球の産生を高める
「JTZ-951」は、HIF-PHDを阻害しHIFを安定化することにより、内因性のEPO産生を亢進させる作用を持つ薬剤。また、鉄代謝分子の発現を制御し,赤血球の産生を高める薬効も持つ。
同剤は現在、日本国内において第2相臨床試験の段階にある。韓国においては今後、抗がん剤等の研究および開発などを展開しているJWが、臨床開発を行っていくこととなるという。

JW Pharmaceutical とのHIF-PHD阻害薬「JTZ-951」に関するライセンス契約締結について - 日本たばこ産業株式会社
https://www.jti.co.jp/