神経障害性疼痛を対象として指定
アステラス製薬株式会社は、10月13日、開発中の新規NaV1.7遮断薬「CC8464/ASP1807」が米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定を受けたと発表した。
同剤は、アステラス製薬と米Chromocell社と共同で開発している薬剤。今回の指定は、特発性小径線維ニューロパチーに伴う神経障害性疼痛を対象として行われている。
NaV1.7を強力かつ選択的に阻害
「CC8464/ASP1807」は、Chromocell社のリード化合物であり、末梢に作用する経口NaV1.7遮断薬。開発は、Chromocell社独自の創薬技術である「Chromovert」を用いて行われた。
NaV1.7は、痛みの伝達に関与するイオンチャネル。イオンチャネルは、生物の生体膜に存在してイオンを透過させる役割を持つ膜タンパク質であり、神経回路の活動や筋収縮、感覚などイオンが関わるあらゆる生理機能に深く関与する。同剤は、このNaV1.7を強力かつ選択的に阻害する作用を持つ。
開発と審査を促進できる可能性
FDAのファストトラック指定制度は、重篤または生命を脅かす恐れのある疾患やアンメットメディカルニーズの高い疾患に対して、治療効果が期待される新薬を優先的に審査する制度。この指定を受けることで、開発と審査を促進できる可能性がある。
Chromocell社は、「CC8464/ASP1807」の新薬の臨床試験開始届を2016年7月にFDAへ申請。米国において、同剤を経口投与した際の安全性・忍容性・薬物動態を評価する第1相臨床試験の患者組み入れが開始されている。

CC8464/ASP1807 神経障害性疼痛でFDAよりファストトラック指定を取得 - アステラス製薬株式会社
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