全生存期間を有意に延長
中外製薬株式会社は、10月13日、スイスのロシュ社が実施した「TECENTRIQ」の第3相国際共同治験における結果を発表した。
この発表は、ロシュ社が現地時間10月9日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。非小細胞肺癌患者を対象とした同治験において「TECENTRIQ」は、PD-L1の発現状況にかかわらず、化学療法と比較して全生存期間を有意に延長したという。
癌細胞攻撃能力を取り戻す
肺癌は、世界中で癌による死亡原因の第1位となっており、世界中で毎日4350人以上が死亡している疾患。主に、NSCLCと小細胞肺癌の二つのタイプに分けることができ、NSCLCは最も患者の数が多く全肺癌の中で85%を占めている。
「TECENTRIQ」は、PD-L1と呼ばれるタンパク質を標的とし結合するように設計された、開発中のモノクローナル抗体。PD-L1は、T細胞の表面上に見られるPD-1とB7.1の双方と相互作用することで、T細胞の働きを阻害する作用を持つ。「TECENTRIQ」は、この相互作用を阻害することで、癌細胞を効率的に検出し攻撃する能力を取り戻すことが可能にしている。
4.2カ月の全生存期間延長
「TECENTRIQ」の第3相国際共同治験は、白金製剤ベースの化学療法を施行中または施行後に病勢が進行した、局所進行または転移性非小細胞肺癌患者1225名を対象に実施された。
同治験において同剤は、PD-L1の発現状況にかかわらない全集団において、「docetaxel」による化学療法と比べて4.2カ月の全生存期間延長を示した。有害事象については、これまでに観察されたものと一致したという。

ロシュ社のTECENTRIQは第3相国際共同治験においてPD-L1の発現状況にかかわらず全生存期間を有意に延長 - 中外製薬株式会社
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