「DS-8201a」の安全性と有効性を評価
第一三共株式会社は、10月11日、HER2に対する抗体薬物複合体「DS-8201a」の第1相臨床試験結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO)にて発表したことを明らかにした。
抗体薬物複合体とは、抗体と低分子医薬を適切なリンカーを介して結合させた医薬群のことを指す。同試験は、「DS-8201a」の安全性と有効性を評価するもの。
十分な忍容性が確認された
「DS-8201a」の第1相臨床試験は、乳がんと胃がん患者を対象とするパート1試験と、乳がんと胃がんおよびそれ以外のがん患者も対象とするパート2試験からなる。今回ESMOにて発表されたのは、パート1試験のデータ。
パート1試験では、患者22名に対して3週間毎に体重1kg当たり0.8~8.0mgが投与された。主要評価項目は、がん患者における最大耐用量を決定するための安全性と忍容性。重要な副次評価項目は、有効性や薬物動態などとなっている。同試験において「DS-8201a」の用量制限毒性は観察されず、十分な忍容性が確認された。
革新的な治療を提供していく
第一三共は、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めている。同社は現在、固形がんと血液がんの両領域で、20以上の新規の低分子および抗体医薬を保有。第3相臨床試験中の開発品目には、FLT3-ITD阻害剤「キザルチニブ」、CSF-1R阻害剤「ペキシダルチニブ」、MET阻害剤「チバンチニブ」などがある。
同社は今後も、世界トップ水準のサイエンスを応用し、がん患者のための革新的な治療を提供していくとしている。

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)でのDS-8201a第1相臨床試験結果について - 第一三共株式会社
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006526.html