クローン病の治療剤として
ゼリア新薬工業は2016年9月28日付けで、クローン病治療剤「ゼンタコート(R)」(一般名:ブデソニド)について、製造販売承認を取得したことを発表した。
ブデソニド
ブデソニドは、局所作用型の糖質コルチコイドで、軽症から中等症の活動期クローン病に対する治療を効能・効果とした腸溶性徐放製剤。有効成分であるブデソニドが小腸および結腸近位部で放出されているように設計されている。腸内で吸収された後は、ほとんどが肝臓で速やかに代謝されるため、副作用が少ないという利点がある。
同剤は「Enticort(R)」の名称で40カ国以上において販売されており、クローン病治療において第一選択薬として推奨されている。
当初、2012年12月に厚生労働省から出された開発要請を受けてアストラゼネカが開発を行っていたが、2015年7月にゼリア新薬工業のスイス子会社であるTillots Pharma AGが、AstraZenecaから同剤の全世界の権利(米国を除く)を取得したことにより、2015年10月にゼリア新薬工業が承認申請を行っていた。
クローン病
大腸および小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患炎症性腸疾患のひとつで主に若年者にみられる。消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こるが、小腸と大腸を中心にとりわけ小腸末端部が好発部位となっている。

ゼリア新薬工業プレスリリース
http://www.zeria.co.jp/image/upimg/mv14750424061.pdf