Meiji Seikaファルマが日本で臨床開発中の薬剤
エーザイ株式会社とMeiji Seikaファルマ株式会社は、4月5日、パーキンソン病治療剤「safinamide」について、日本とアジアにおけるライセンス契約を締結したと発表した。
同剤は、Meiji Seikaファルマが日本で臨床開発中の薬剤。今回の契約は、同剤の商業化に関するもの。
年々増加傾向にあるパーキンソン病
パーキンソン病は、手足の震え・筋肉の固縮・小刻みな歩行などの運動障害を生じる神経変性疾患。ドパミン神経系の変性・脱落により、脳内の神経伝達物質であるドパミンが減少し、発症する。厚生労働省の調査によると、2014年における国内患者数は16万3000人。高齢化の進行に伴って、その数は年々増加傾向にある。
同疾患の治療剤としては、脳内で不足したドパミンを補う「レボドパ」が広く利用されている。しかし「レボドパ」は、病気の進行に伴って効果持続時間が短くなり、次の服薬前に症状が現れる場合がある。「ウェアリング・オフ現象」と呼ばれるこの状態の改善には、「レボドパ」とは異なる作用機序の薬剤が必要となる。
新たな形のパーキンソン病治療薬
「safinamide」は、選択的なモノアミン酸化酵素B阻害作用によって、分泌されたドパミンの分解を抑制し、ドパミンの脳内濃度維持を助ける作用を持つ。また、ナトリウムイオンチャネル阻害作用やグルタミン酸放出抑制作用も有し、新たな形のパーキンソン病治療薬として期待されている。
エーザイとMeiji Seikaファルマは今回の契約を通じて、日本およびアジアにおけるパーキンソン病の患者とその家族に、より一層貢献するとしている。
(画像は写真素材 足成より)

パーキンソン病治療剤safinamideに関する日本およびアジアにおけるライセンス契約を締結 - エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/news/news201716.html