腸内細菌由来の生菌カクテル製剤
米国Finch社と武田薬品工業株式会社は、4月6日、腸内細菌由来の治療薬「FIN-524」の全世界を対象とした共同開発契約を締結したと発表した。
Finch社は、腸内細菌を標的とした独自の技術を有する企業。「FIN-524」は、Finch社の有する薬剤であり、複数の細菌株を培養した前臨床段階の生菌カクテル製剤。
複数疾患で応用できる新薬を患者に
Finch社は、マサチューセッツ工科大学およびOpenBiomeのデータサイエンティスト、臨床医、そして微生物学者らによって設立された企業。腸内細菌由来の優れた治療薬を開発するというミッションの実現を目指している企業。炎症性腸疾患の治療を目的とする「FIN-524」は、微生物分子生態学に基づく最初の新薬候補にあたる。
同社は、腸内細菌を標的とした独自技術が、武田薬品の消化器系疾患領域における高い専門性ならびに炎症性腸疾患治療薬における近年の成功によって補完されると期待。革新的かつ複数疾患で応用できる新薬を患者に届けることを願っているという。
武田薬品は、独占的開発・販売権を獲得
今回の契約により武田薬品は、炎症性腸疾患を対象とした「FIN-524」の全世界における独占的な開発・販売権と、炎症性腸疾患領域における後続製品に関する権利を獲得。Finch社に対しては、1000万米ドルの契約一時金を支払うとしている。
なお両社は、関連する適応症に関して、今回と同様の条件で同提携を拡大する可能性があるとしている。
(画像は武田薬品の公式ホームページより)

炎症性腸疾患を対象とした腸内細菌由来の治療薬に関する共同開発契約の締結について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2017/20170406_7742.html