第3相臨床試験「MONARCH2」の結果を公表
日本イーライリリー株式会社は3月27日、米国イーライリリーが3月20日に発表したアベマシクリブの乳がん患者を対象とした第3相臨床試験「MONARCH2」の結果を公表した。
今回、実施された試験は、内分泌療法後に再発、または憎悪したHER2の進行性乳がん患者を対象に、アベマシクリブとフルベストラントの併用とプラセボとフルベストラントの併用を比較したもので、無憎悪生存期間の主要評価項目が達成。
米国イーライリリーは、この結果を基に2017年の第3四半期に米国で、「MONARCH2」に関する追加申請を行う予定だ。
肺がんに対する第3相臨床試験も実施中
アベマシクリブは多くのがんの発生に関わりのあるCDK4、CDK6を阻害することで、がん細胞の増殖を制御する経口細胞周期阻害剤。
乳がんでは、CDK4が網膜芽細胞腫タンパク質(Rb)のリン酸化、細胞増殖、腫瘍増殖を促進することがわかっているが、ホルモン受容体陽性乳がん細胞株において、アベマシクリブの持続的阻害によってRbのリン酸化が減少し、細胞周期停止が誘導されることが認められている。
アベマシクリブは2015年に米国食品医薬品局(FDA)からブレークスルーセラピーに指定。また、乳がんの他に肺がんに対する第3相臨床試験も実施中である。
(画像は日本イーライリリー株式会社HPより)

日本イーライリリー株式会社 プレスリリース
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