透析患者における掻痒症の適応について
キッセイ薬品工業株式会社と丸石製薬株式会社は、3月13日、κオピオイド受容体作動薬「MR13A9」について国内協業契約を締結したと発表した。
同剤は、丸石製薬が国内で開発中の薬剤。今回締結された契約は、透析患者における掻痒症の適応について、同剤の開発および販売で協業を行うためのもの。
米国Cara社が創製
「MR13A9」は、米国Cara Therapeutics, Inc.(以下「Cara 社」)によって創製された新規化合物であり、κオピオイド選択的な受容体作動薬。透析患者における掻痒症の適応症としては、世界初の静注用製剤となる。
透析患者の痒み発現メカニズムのひとつとして、内因性オピオイドの関与が想定されている。オピオイド受容体のサブタイプのひとつであるκ受容体の選択的活性化は、痒みを抑制することが既に知られている。
同剤は米国において、透析患者の掻痒症に対する第2相臨床試験ならびに術後疼痛の患者を対象とする第3相臨床試験が、Cara社によって実施されている。
開発費用は両社が負担、キッセイ薬品が販売
丸石製薬は2013年4月、Cara社より同剤を導入。現在は、国内における第2相臨床試験を実施している。
今回締結された契約に基づくキッセイ薬品と丸石製薬の協業では、同剤開発などに関わる費用は両社が負担。丸石製薬が製造販売承認を取得した後、キッセイ薬品が販売を行うとしている。
(画像はキッセイ薬品の公式ホームページより)

κオピオイド受容体作動薬「MR13A9」の国内における開発および販売のための協業に関する契約締結について - 丸石製薬株式会社
http://www.maruishi-pharm.co.jp/top/20170313.pdf