世界で初めて解明
山梨大学は3月7日、世界で初めて甲状腺ホルモンが慢性腎臓病(以下、CDK)の悪化を抑制することを解明した。
現在、20歳以上の成人8人に1人との割合で、CDK患者がいると言われており、進行が進むと直ることがなく、末期腎不全となった場合は、透析療法が必要となっている。
CDK患者の腎臓やメタボリックシンドロームの患者の血管では、白血球の1つであるマクロファージによる慢性的な炎症が起こり、尿細管間質の線維化や動脈硬化を引き起こしてることが原因とされている。
透析療法ではない新しい治療法開発に期待
山梨大学は、このマクロファージによる炎症を抑えることが、腎機能悪化を抑制につながるの可能性に着目。
内因性甲状腺ホルモン受容体を欠損させ、片側の尿管を結紮し、CDKモデルのマウスを作成したところ、通常のマウスと比較して尿細管間質の線維化が起こり、ひどい腎障害を起こることが判明。
また、甲状腺ホルモンの働きがなくなると、マクロファージで転写因子が活性化し続け、炎症性サイトカインの産生から慢性炎症となり、腎障害が進行することがわかった。
山梨大学は今回の結果は画期的なもので、CDK患者が透析療法を回避する新しい治療法開発につながる可能性があるとしている。
(画像はプレスリリースより)

国立大学法人山梨大学 プレスリリース
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