「多発性硬化症経口治療薬フィンゴリモド塩酸塩の創製」の功績称え
田辺三菱製薬株式会社は2月27日、「多発性硬化症経口治療薬フィンゴリモド塩酸塩の創製」の功績に対して、公益財団法人 大河内記念会が主催する「第63回(平成28年度)大河内記念技術賞」を受賞したと発表した。
1954年(昭和29年)から続く大河内賞は、故大河内正敏氏(工学博士)の功績を称え、その遺志である生産工学の振興を目的として創設された。生産工学、生産技術、生産システムの研究などに関するわが国の業績のうち、学術の進歩と産業の発展に大きく貢献した顕著なものに対して贈呈表彰されるもの。
今回「第63回(平成28年度)大河内記念技術賞」を受賞したのは、田辺三菱製薬株式会社 創薬本部フェロー 薬学博士 千葉 健治氏、同社創薬本部主席研究員 薬学博士 安達 邦知氏、京都大学 名誉教授 薬学博士 藤多 哲朗氏、他2名。
多発性硬化症の治療に、世界中で貢献
フィンゴリモド塩酸塩は、田辺三菱製薬、京都大学薬学部、三井製糖(旧台糖)の共同研究により創製された、世界初の免疫調節薬。
冬虫夏草の1種である「タイワンツクツクボウシ」由来の天然物をもとに構造変換を行い、純合成品として創製された新規化合物で、特に再発性の多発性硬化症に有効とされている。
原因不明の難治性自己免疫疾患である多発性硬化症は、国内の患者数が2002年には1万人を超え、以来年々増加している疾患。
同剤はスフィンゴシン1-リン酸受容体を標的とする、多発性硬化症における世界初の経口治療薬であり、日本を始め欧米を含めた世界80ヵ国以上で約15万人の患者に使用されて、多発性硬化症の治療に大きく貢献している。
(画像はプレスリリースより)

田辺三菱製薬株式会社ニュースリリース
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