大塚アメリカインクが完全子会社化
大塚製薬株式会社は、3月3日、米国バイオベンチャーのニューロバンス社を買収すると発表した。
この買収は、大塚アメリカインクが、ニューロバンス社を完全子会社化する形で行われるもの。大塚製薬は買収後、ニューロバンス社が保有する注意欠陥・多動性障害(ADHD)治療薬「センタナファジン」の開発を実施する。
新しい薬剤が求められていたADHD
ADHDは、不注意・多動性・衝動性を特徴とする発達障害。米国では現在、精神刺激薬が主に処方されているが、中枢興奮作用・精神依存性・薬剤耐性が課題となっている。刺激薬と同等の有効性を持ちながら、非刺激薬と同じ忍容性で乱用の懸念が少ない薬剤が求められていた。
「センタナファジン」は、ニューロバンス社が成人と小児のADHD治療薬として開発中の薬剤。同薬は、ノルエピネフリン・セロトニン・ドパミンの再取り込みを抑制する「トリプル再取り込み阻害」という作用機序を持つ。成人ADHD患者を対象に実施された米国での臨床第2相後期試験では、ADHD評価スケールの有意な改善を示した。
中枢神経領域のポートフォリオを拡大
「センタナファジン」は、そのユニークな作用機序から、上市が期待されている。大塚製薬はニューロバンス社を買収した後、「センタナファジン」の開発を実施。中枢神経領域のポートフォリオを拡大するとしている。
なおこの買収は、2017年第2四半期までに完了する予定。
(画像は大塚製薬の公式ホームページより)

大塚製薬による米国バイオベンチャー「ニューロバンス社」の買収について - 大塚製薬株式会社
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