ALK陽性の進行非小細胞肺がんに対する承認
中外製薬株式会社は、2月21日、ALK阻害剤「アレセンサ」が欧州で承認を取得したと発表した。
「アレセンサ」は、中外製薬が創製した経口のALK阻害剤。今回の承認は、スイスのロシュ社が欧州委員会(EC)より取得したもので、「クリゾチニブに不応または不耐容のALK陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)」に対する条件付き承認となっている。
細胞死を誘導することで、抗腫瘍効果を発揮
NSCLCでは、約5%でALK融合遺伝子の発現が報告されている。この融合遺伝子が発現している細胞は、恒常的にALKチロシンキナーゼ活性が上昇。細胞増殖が制御されておらず、細胞が腫瘍化していると考えられている。
「アレセンサ」は、このチロシンキナーゼ活性を選択的に阻害することで、腫瘍細胞の増殖を阻害。細胞死を誘導することで、抗腫瘍効果を発揮する。
加えて同剤は、薬剤を脳から能動的に排出するポンプである血液脳関門において、認識されないという性質を持つ。そのため、中枢神経系においても活性があり、脳転移に対しても有効性が確認されている。
海外における権利をロシュ社に導出
中外製薬は、欧米など海外における「アレセンサ」に関する権利を、ロシュ社に対して導出。現在は、米国・クウェート・イスラエル・香港・カナダ・韓国・スイス・インド・欧州にて承認を取得している。
中外製薬は、同剤が各国においてNSCLCの治療に貢献できることについて、大きな喜びを感じているという。
(画像は中外製薬の公式ホームページより)

ALK阻害剤「アレセンサ」が欧州で承認を取得 日米欧の3極で使用が可能に - 中外製薬株式会社
https://www.chugai-pharm.co.jp/