臨床第3相試験における52週時点の新たな成績
武田薬品工業株式会社とベルギーのTiGenix社は、2月20日、クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬「Cx601」の試験結果を学会にて発表したことを明らかにした。
この学会発表は、第12回Congress of the European Crohn’s and Colitis Organisation(ECCO)にて行われたもの。長期寛解維持療法を評価する臨床第3相試験における52週時点の新たな成績が発表されている。
治療オプションが少ない希少疾患
クローン病は、消化管における慢性的な炎症疾患。肛囲複雑瘻孔は、クローン病患者においてみられる合併症であり、現状では予後不良かつ治療オプションが少ない希少疾患となっている。
「Cx601」は、局所に注射する同種異系の脂肪由来幹細胞の懸濁剤であり、標準治療を少なくとも1回以上実施したにも関わらず効果不十分なクローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬。2009年には、欧州委員会より肛囲瘻孔治療薬としてオーファン指定を受けている。
TiGenix社は、先進的なバイオ医薬品企業であり、「Cx601」は同社の脂肪由来幹細胞基盤技術を用いた主要な薬剤候補。武田薬品は、同剤の米国外における独占的開発・販売権に関するライセンス契約を、TiGenix社と締結している。
臨床的寛解を達成した割合が、有意に優れている
今回結果が学会発表された試験は、クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔に対する「Cx601」の有効性と安全性を検討する無作為化・二重盲検・プラセボ対照の臨床第3相試験。同剤投与群は、臨床評価および放射線医学的評価の複合寛解を達成した割合と、52週時点の臨床的寛解を達成した割合が、有意に優れていることが示されたという。
なお、米国における「Cx601」を用いた肛囲複雑瘻孔に関する主要な国際共同臨床第3相試験は、TiGenix社が2017年内に開始する予定。
(画像は武田薬品の公式ホームページより)

クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔治療薬Cx601の長期寛解維持療法の新たな成績の発表について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2017/20170220_7717.html