スフィンゴミエリンを分解させる作用
Genzyme (以下、ジェンザイム社)は、米国食品医薬品局(FDA)より、olipudase alfaが画期的治療薬に指定されたこと(Breakthrough Therapy Designation)を発表した。
ジェンザイム社は小児の患者を対象とした第1/2相試験への患者登録を開始しており、2015年下期には成人の患者を対象とした第2/3相試験への患者登録の準備も予定している。
この酵素補充療法は、酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD)の中でも、神経症状のない患者の治療のために研究開発されているもの。体内で生成される酵素の欠損や不足をolipudase alfaを投与し、補充することで、ASMDの臨床症状の原因となっている蓄積されたスフィンゴミエリンを分解させる。
酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症
酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD)はニーマン・ピック病A型およびB型と呼ばれ、遺伝子変異を原因とし、先天性代謝異常を引き起こすライソゾーム病の1種。ASMDのうち神経症状のない病型はニーマン・ピック病B型、神経症状のある病型はニーマン・ピック病A型と呼ばれている。
ニーマン・ピック病A型およびニーマン・ピック病B型はいずれも酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASM)の酵素欠損が原因となっている。この酵素の活性が不十分であると、スフィンゴミエリンと呼ばれる物質が蓄積されASMDを引き起こす。

Genzyme ニュースリリース
http://www.genzyme.co.jp/corp/news/Japan_news/