欧州リウマチ学会にて結果を発表
2015年6月15日、中外製薬株式会社は、大阪大学と同社が共同開発したヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」(一般名:トシリズマブ)に関する新しい国内試験結果が、2015年6月10日から開催された欧州リウマチ学会にて発表されたことを明らかにした。
同剤に関する主な発表は、生物学的製剤未使用の中等度の関節リウマチ患者を対象とした、同剤の有効性と安全性を確認する臨床試験「FIRST BIO STUDY」であった。
またマウスモデルを用いた抗IL-6レセプター抗体による軟骨破壊に対する効果を検証した非臨床試験、さらに関節リウマチ患者を対象とした製造販売後調査の3年フォローアップ結果も発表された。
「FIRST BIO STUDY」に関する発表によれば、839例の患者に同剤を1年間投与したところ、関節の痛みや腫れの改善を示すCDAI寛解率が36.8%、また日常性生活動作の改善を示すHAQ-DIについても65%の寛解を示したという。
日本で開発された唯一の生物学的製剤
同剤は2005年に国産初の抗体医薬品として製造承認を取得した薬剤である。遺伝子組換え技術により産生された、抗ヒトインターロイキン6モノクローナル抗体製剤であることが他の生物学的製剤とは異なる。
キャッスルマン病に伴う諸症状及び検査所見の改善、既存治療で効果不十分な関節リウマチや若年性特発性関節炎の一部を適応としており、現在は日本をはじめ90カ国以上で販売されている。

中外製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/