フィージビリティスタディ契約を締結
JCR ファーマ株式会社(以下、JCRファーマ)と大日本住友製薬株式会社(以下、大日本住友製薬)は、2015年6月17日にフィージビリティスタディ(実行可能性調査)契約を締結した。
これは、JCR ファーマが保有する血液脳関門(BBB、Blood-Brain Barrier)通過技術、「J-Brain Cargo」 の脳神経系治療薬創製への適用可能性を検討するため、両社が研究協力を行うものである。
脳神経系治療薬創製の期待
J-Brain Cargoとは、脳毛細血管の内皮細胞表面に発現するレセプターによって、対象とする物質の血液脳関門通過を実現する技術だ。この技術で、高分子から低分子までの薬剤に血液脳関門通過能が付与されるため、静脈内投与した薬剤が脳内で効力を発揮できる。
JCRファーマはすでに実験で血液脳関門の通過効率を通常の20~100倍にすることに成功している。脳神経領域はこれまでアンメット・メディカル・ニーズ(有効な治療方法がない医療ニーズ)が高い領域だったが、BBB通過技術により薬効での改善が期待される。
今後、両社は、大日本住友製薬が選択した特定の医薬品候補物質に対して、J-Brain Cargoを適用する研究に共同で取り組み、脳神経症状を伴う病態に改善効果のある革新的な治療薬の創製を目指していく。

大日本住友製薬株式会社 プレスリリース
http://www.ds-pharma.co.jp/pdf_view.php?id=678