研究、診断の新手段として期待
JSR株式会社とグループ会社のJSRライフサイエンス株式会社は、2015年6月16日、ヒト由来の血清、血漿からのエクソソーム単離に最適化した「ExoCap(エクソキャップ)」の販売開始を発表した。
体内の細胞から分泌され、血液や尿中に存在する細胞外小胞であるエクソソームは、由来する細胞の核酸やタンパク質などの夾雑物を含んでいる。細胞の状態によって、含まれているmiRNA(マイクロRNA)やタンパク質の種類は異なってくる。
つまり、夾雑タンパク質を分析すると、各種疾患に関わるバイオマーカー(生物指標化合物)の発見や検出につながることが期待できる。一方で、エクソソームの単離は困難だったため、簡便に分離する方法の開発が求められていた。
血清、血漿、栽培培養に最適
JSRグループは、トリートメント緩衝液を開発し、これを用いることでエクソソームの単離性能の改善を図った。今回、発売する「ExoCap」は研究試薬キットで、細胞培養上清にも適用できる。
キットの内容は、JSRグループ独自の磁性粒子Magnosphere(マグノスフィア)を用いた分離担体「ExoCap Capture Beads」と、エクソソームを捕捉、洗浄、溶出する過程で使う緩衝液とから成る。なお、マグノスフィアは体外診断システムの多検体処理、自動化に採用されている。

JSR株式会社 プレスリリース
http://www.jsr.co.jp/news/0000610.shtml