抗原特異的な免疫寛容誘導技術を有する企業と契約
アステラス製薬株式会社Anokion SA(スイス、アノキオン社)は、2015年5月29日付でアノキオン社が保有する抗原特異的免疫寛容誘導技術を用いた1型糖尿病、セリアック病の治療薬創製のための研究提携に関する契約を締結した。
新たに共同出資で設立されたKanyos Bio, Inc.(米国、カンヨス社)において1型糖尿病、セリアック病の治療薬創製に取り組む。
通常、脾臓や肝臓で生体内の不要となった細胞や古くなった赤血球などを処理する。その際、自己の細胞成分に対して免疫反応が起きないように、免疫反応の抑制が誘導されることが知られており、これを「免疫寛容」という。
アノキオン社は生体内に備わった免疫寛容誘導機構を応用し、赤血球に結合するように改変されたタンパク質抗原を用いて抗原特異的な免疫寛容を誘導する技術を有している。
自己免疫疾患治療への展望
本技術を活用することによって、特定の抗原に対する免疫応答を選択的に抑制することが可能となり、1型糖尿病やセリアック病などの自己免疫疾患に対する安全性の高い、根本的な治療法の実現も可能となる。
1型糖尿病やセリアック病といった未だ画期的な治療法が見つかっていないニーズの高い疾患で、治療薬を創製できるだけでなく、その他の自己免疫疾患にも応用が可能と考えられ、将来に大きな発展性のあるものと期待される。

アステラス製薬 ニュースリリース
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