VAP-1阻害剤(RTU-009)の開発で産学連携
株式会社アールテック・ウエノは平成27年6月8日付けで、VAP-1阻害剤(RTU-009)の脳梗塞治療薬としての開発を、バルセロナ自治大学及びバルデブロン研究所との産学連携によって共同研究をすることを発表した。
RTU-009は抗炎症作用や神経保護作用を有する新規VAP-1阻害剤である。これまでにアールテック・ウエノでは、脳梗塞モデルを用いた動物試験で、脳保護剤であるエダラボンと同様の神経保護作用とt-PA治療との併用による脳障害の改善作用を確認している。
今後の第1相試験及び POC(前期第 2相試験)に向けて、バルセロナ自治大学脳研究所のUnzeta教授、同大バルデブロン病院バルデブロン研究所脳血管研究所長のMontaner博士(医師)らのグループと、RTU-009の脳梗塞治療薬としての可能性を検証するために、脳梗塞動物モデルを用いた共同研究を開始した。
t-PA治療におけるRTU-009の可能性
t-PA治療はrt-PA(recombinant tissue-type plasminogen activator)という、血管内にできた血栓を強力に溶かす酵素を投与することで、血液の流れを回復させることを目的とする治療法である。
しかし、4.5時間以内に投与しなければならないという制限があり、発症からt-PA投与までの時間が長く経過した場合には、脳出血を起こすことが知られている。
t-PA治療の適応時間拡大が求められており、この研究においてRTU-009 の脳梗塞急性期のt-PA治療との併用によるt-PA治療の適応時間拡大が期待される。

株式会社アールテック・ウエノ プレスリリース
http://www.rtechueno.com/investor/press/150608_pr.pdf