大塚製薬の独自開発
大塚製薬は、同社が独自で開発を行った「トルバプタン」が常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の成人患者の治療薬として、欧州で初めて欧州委員会(EC)から販売承認を2015年5月27日付けで取得したことを発表した。
トルバプタン
「トルバプタン」は、ADPKD治療薬として2014年3月にまず日本で初めて承認され、2015年2月にカナダでも承認されている。日本ではサムスカ(R)、カナダでではジンアーク(R)の名前で販売されている。
同剤は、慢性腎疾患ステージ1からステージ3で病態の進行が速いADPKDの患者を適応とする。
ただし、「トルバプタン」による治療は、ADPKDの専門で同剤のリスクと定期的な検査の必要性を十分に理解した医師によってのみとされている。また、投薬による重大な肝障害を発症させる可能性があるため、このリスクを軽減する目的で、最初の18カ月間は毎月、その後は3カ月に1度血液検査を行わなければならない。
ADPKD
ADPKDは遺伝性疾患の中でも比較的多くみられる腎疾患で、ADPKDは、成人の末期腎不全の4番目に多い原因で、腎代替療法が必要な患者の約1割を占めているという。
液体が詰まった複数ののう胞が腎臓で増殖・増大することがこの疾患の特徴だ。両方の腎臓で増殖・増大したのう胞が腎機能の低下を引き起こすことで、54歳までに半数近くの患者が末期腎不全に至り、透析や腎移植などの腎代替療法が必要となる。

大塚製薬 ニュースリリース
http://www.otsuka.co.jp/company/release/