クリゾチニブ治療歴を持つ患者の治療薬に
ノバルティスは、同社の肺がん治療薬「LDK378」が、特定の転移性未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する新たな治療薬として、EUから承認を取得したと発表した。
同剤は今回、クリゾチニブによる治療歴のあるALK+ NSCLCの成人患者に対する治療薬として、承認を取得している。
更なる治療選択肢が望まれていた
NSCLCは、肺がんの中でもっとも多くみられる疾患であり、全肺がん症例の85~90%を占める。そのうちの2~7%は、ALK融合遺伝子によってがん細胞の増殖が促進されるタイプのがん、すなわちALK+ NSCLCだ。ALK+ NSCLCの治療法は大きく前進しているが、疾患の進行は避けられないことが多く、更なる治療選択肢が望まれている。
「LDK378」は、経口の選択的未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤。EU域外ではALK+ NSCLCの治療薬として、米国・北米・南米・中米・アジアの各国で承認されている。また、他の国においても承認に向けた審査が行われている。
臨床試験で得られたデータに基づいて
今回のEUによる「LDK378」の承認は、国際多施設共同・オープンラベル・シングルアーム臨床試験で得られたデータに基づいて、行われた。
試験では、クリゾチニブによる治療歴のあるALK+ NSCLCの患者において同剤による腫瘍の縮小効果が示され、脳転移がみられた患者においても同様の効果が示されたという。

肺がん治療薬LDK378、特定の患者さんに対する新たな治療薬としてEUの承認を取得 - ノバルティス ファーマ株式会社
http://www.novartis.co.jp/news/2015/pr20150526