第2相TOMORROW試験、第3相INPULSISR試験などで
2015年5月18日、ベーリンガーインゲルハイムは、同社が開発中の「ニンテダニブ」が、特発性肺線維症(IPF)患者を対象とした幾つかの臨床試験において、同剤の有効性と安全性を確認できる解析結果を示したことを発表した。
この発表は米国胸部疾患協会の2015年国際学会にて行われた。
ニンテダニブによる長期治療に関する第2相TOMORROW試験においては、IPFの病勢進行を遅らせる同剤の効果が最大76週間維持され、INPULSISR-ON延長試験においては最大33ヵ月の長期にわたり、同剤のIPF患者に対する安全性と忍容性が確認できたという。
また、INPULSIS試験の事後解析では、同剤がIPF早期患者の疾患進行の評価指標である努力性肺活量(FVC)の年間減少率を一貫して抑制したことも分かった。
最終的には死に至る肺線維化疾患、IPF
肺線維化疾患であるIPFは、肺の瘢痕化が進行し、呼吸機能が継続的かつ不可逆的に悪化していく。診断後の平均生存期間は2~3年とされ、患者はいずれ呼吸困難に陥り死亡してしまう。
進行性疾患であるため、患者は生涯にわたってこの病気を管理するための治療が必要となる。より有効で安全な治療法の登場が期待されており、ニンテダニブはそれに応える可能性を秘めている。

ベーリンガーインゲルハイム プレスリリース
http://www.boehringer-ingelheim.jp/news/news_releases/