サノフィパスツール社が製造
サノフィから、4価髄膜炎菌ワクチン(ジフテリアトキソイド結合体)「メナクトラ(R)筋注」(以下、メナクトラ(R))が発売された。同剤は、髄膜炎菌(血清型A,C,Y及びW-135)による侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)を予防するワクチン。
メナクトラ(R)は、フランスのサノフィパスツール社によって製造され、2005年の米国での発売以来、世界55の国と地域(2015年3月現在)で承認されている。
4価髄膜炎菌(IMD)
IMDは、グラム陰性好気性双球菌である髄膜炎菌によって引き起こされる侵襲性感染症で、菌血症(敗血症なし)、敗血症、髄膜炎、髄膜脳炎の4つの型が存在する。IMDは、日本での発症数は少ないが、発症した場合、急速に症状が進み、時として発症から24~48時間以内に患者の5~10%が死に至るという重篤性の高い疾患である。
初期症状は、発熱、頭痛、嘔吐などの風邪の諸症状に似ていることから、早期診断が難しいとされている。そのため、数時間の治療の遅れが致命的な経過につながることもある。
また、適切な治療を受けても、11~19%の割合で難聴、神経障害、手足の切断など生涯続く後遺症が残ることが報告されている。日本国内の疫学調査では、0~4歳と15~19歳が発症のピークとされている。
そして、誰にでも感染するリスクがあるにもかかわらず、IMDの国内における認知度は低く、一般的な情報が限定されていることから、サノフィは2014年4月にIMDのリスクと予防の重要性に関する啓発活動の推進を目的とした「IMD情報センター」を設立した。
サノフィは、同剤の発売により、IMDは日本でもワクチンで予防できる疾患になり、国内のハイリスク者及び、流行国・地域への渡航者などのIMD発症リスクの低減に貢献できるとしている。

サノフィ株式会社
http://www.sanofi.co.jp/l/jp/ja/index.jsp