新規のメカニズムを持つ抗がん剤
ファイザー社は、抗がん剤「IBRANCE」の第3相試験について、試験の主要目的を達成したとして、早期中止を発表した。
同剤は、新規のメカニズムを持つ抗がん剤。試験は、ホルモン受容体陽性(HR+)ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)進行乳がんを対象として行われていた。
無増悪生存期間を評価
サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害という新規のメカニズムを持つ「IBRANCE」は、2015年2月、米食品医薬品局(FDA)により、ER+HER2-閉経後進行乳がんに対する一次療法として承認を取得。「レトロゾール」との併用では、ER+HER2-閉経後進行乳がんに対する一次治療として適応を取得している。
今回実施された第3相試験は、内分泌療法を受け疾患進行を認めたHR+HER2-進行乳がん患者に同剤を投与し、無増悪生存期間を評価するというもの。多施設共同試験であり、全世界から150施設が参加し、521名の被験者が登録されていた。
承認申請に向け規制当局との協議へ
同試験において「IBRANCE」は、無増悪生存期間の延長が示し、試験の主要目的は達成された。この結果を受け、同試験は早期中止となっている。
同社は、この試験結果が同剤の可能性を理解する上で重要な意味を持つとして、承認申請に向け規制当局との協議に入るとしている。

ファイザー社、「IBRANCE」のPALOMA-3試験の早期中止を発表 - ファイザー株式会社
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/