塩化ラジウムー223注射液について申請
バイエル ヘルスケアは、骨転移のある前立腺癌の治療薬として塩化ラジウムー223注射液の製造販売承認申請を提出したことを発表した。
塩化ラジウムー223
塩化ラジウムー223は、アルファ線を放出する治療用医薬品。カルシウムと同様に骨塩(ヒドロキシアパタイト)複合体を形成し、骨のなかでも特に骨転移巣を選択的にターゲットとするため、骨転移に対して抗腫瘍効果を発揮する。
このアルファ線は、高LET(線エネルギー付与)放射線であり、腫瘍細胞に対し高確率でDNA二本鎖切断を誘発し、強力な殺細胞効果を発揮する。また、アルファ線の飛程は100ミクロン未満であるため、周辺の正常な組織へのダメージは最小限に抑えることができる。
第3相臨床試験の結果は良好
今回の承認申請はピボタル第3相臨床試験であるALSYMPCAの試験データと日本人患者を対象にした同剤の安全性と有効性を評価した試験データによるものとなっている。ALSYMPCA試験において、同剤はプラセボ投与群と比較して、全生存期間を有意に延長するだけではなく、症候性骨関連事象の初回発現までの期間延長も確認された。
さらに、その後の盲検解除後に行った解析でも全生存期間のさらなる延長を確認している。
なお、ラジウムー223は欧米を含む世界40カ国以上でXofigo(R)「ゾフィーゴ」の製品名で承認を取得している。

バイエル薬品 ニュースリリース
http://byl.bayer.co.jp/html/press_release/2015/