薬剤で小腸に傷害が起こる
胃潰瘍治療薬のレバミピドが、心筋こうそくや脳卒中の予防として使用されている低用量アスピリン製剤で、薬剤で起きる小腸のただれや潰瘍に有効だという研究結果が発表された。
今回の研究は、大阪市立大学の渡邉俊雄氏を中心に、大阪医科大学、京都府立医科大学、佐賀大学が共同で行った。今回の研究結果は、日本時間4月16日に米国科学誌PLOS ONEで発表された。
多くの患者に朗報
現在、低用量アスピリンを服用している患者が、約500万人前後と言えわれている。その内、半数以上に小腸傷害の症状がある。しかし、治療法は、見つかっていない。
重症の患者の場合、低用量アスピリンの服用を中止する場合もある。胃炎、胃潰瘍の治療薬であるレバミピドが、低用量アスピリンが原因で起きる小腸傷害に効果があると示唆されていた。今回の研究は、レバミピドの有効性を証明した。
今回、高用量レバミピドの使用で、有効性を評価するため、二重盲検比較試験を行った。
20年以上の信頼
レバミピドは、20年以上、胃炎や胃潰瘍の治療薬として使用されており、安全性も確立されている。通常の3倍の使用となった試験だが、重篤な副作用は確認されていない。レバミピドは、高用量での使用でも安全と言える。
早期に臨床応用できるように期待が高まる。
(画像はプレスリリースより)

大阪市立大学 プレスリリース
http://www.osaka-cu.ac.jp/