GSKのとの共同開発
一般財団法人化学及血清療法研究所(以下、化血研)は、細胞培養新型インフルエンザワクチン(プロトタイプ)が製造販売承認を取得したと発表した。同剤の一般名は「乳濁細胞培養インフルエンザHAワクチン(プロトタイプ)」だ。
同剤は化血研とグラクソ・スミスクライン、グラクソ・スミスクライン・ワクチン(以下、GSK)との共同開発によるものだ。
化血研は同剤の開発について厚生労働省の「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」の一次公募事業・二次公募事業に採択されており、同剤の生産施設の整備や臨床試験の業務などを対象に助成金の交付を受けている。
今回の承認に基づき生産されるワクチンは「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」及び「新型インフルエンザ等対策ガイドライン」に準拠して使用することが想定されている。
プロトタイプワクチン
プロトタイプワクチンはパンデミックワクチン製造モデルとなるインフルエンザをワクチン株として前もって開発・製造を行いヒトにおける免疫原性と安全性について確認された模擬ワクチンだ。
新型インフルエンザのパンデミック発生時期は予測できないことであり、発生した場合には迅速にワクチンの生産・供給が必要となってくる。パンデミックが発生した際に製造株を新型インフルエンザに対するウイルス株に変更し、同じ製造方法と品質管理法を用いることで迅速に対応することが出来る。
そのため、細胞培養法による新型インフルエンザウイルスワクチンはパンデミック発生時の生産期間短縮と早期供給を可能にするワクチンとして期待されている。
化血研はGSKと共同でフランスのValneva社からライセンスを受けたEB66(R)細胞及び双方が所有する細胞培養・精製技術、GSKのアジュバント技術を統合して同ワクチンの開発を行ってきた。
そして2014年3月に新型インフルエンザウイルスワクチン(H5N1株)を予防するワクチンについて製造販売承認を取得している。なお、同ワクチンは2012年6月に希少疾病用医薬品として指定されている。

一般財団法人化学及血清療法研究所 ニュースリリース
http://www.kaketsuken.or.jp/images/stories/