2015欧州泌尿器科学会議で発表
アステラス製薬株式会社は3月25日、米国メディベーション社と共同で開発・商業化を進めているアンドロゲン受容体阻害剤エンザルタミドについて、TERRAIN試験の新たなデータと、PREVAIL試験における最新の全生存期間のデータを発表した。
第II相TERRAIN試験では、転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象としてエンザルタミドとビカルタミドを比較し、、第III相PREVAIL試験では、化学療法施行歴のない転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象としてエンザルタミドとプラセボを比較した。
同社はこれらのデータをスペインで開催された2015欧州泌尿器科学会議(EAU)のPlenary Sessionで発表した。
死亡のリスク23%低下
主要評価項目である無増悪生存期間において、エンザルタミド群ではビカルタミド群と比較して統計学的に有意な延長が認められ、無増悪生存期間の中央値はエンザルタミド群において9.9か月延長され、エンザルタミド群の15.7か月に対し、ビカルタミド群では5.8か月、ハザード比は0.44だった。
PSA増悪までの期間の中央値はエンザルタミド群において13.6か月延長され、エンザルタミド群の19.4か月に対し、ビカルタミド群では5.8か月、ハザード比は0.28だった。
ベースラインから投与13週目までに50%以上のPSA値低下を達成した患者の割合は、エンザルタミド群で82%、ビカルタミド群で21%、投与期間の中央値はエンザルタミド群で11.7か月、ビカルタミド群で5.8か月、エンザルタミド群の安全性プロファイルは、これまでに得られているエンザルタミドの安全性プロファイルと一致した。
また、アンドロゲン除去療法(LHRH療法あるいは外科的去勢後)が無効となった化学療法施行歴のない転移性前立腺がん患者1,717人に対して行われたPREVAIL試験では、全生存期間の最新の解析は784例が死亡した時点で行われ、エンザルタミド群では、プラセボ群と比較して統計学的に有意な全生存期間の延長が認められ、死亡のリスクを23%低下させた。

アステラス製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.astellas.com/jp/corporate