独自の放出制御技術を適用
日本新薬株式会社は3月26日、アイルランドのエンド社から導入し、開発を進めていた経口持続性鎮痛剤「ワントラム錠 100mg」について同日、厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表した。
同剤は同社が販売しているがん疼痛・慢性疼痛治療剤「トラマール」の有効成分であるトラマドール塩酸塩に、エンド社が所有する独自の放出制御技術を適用した徐放性製剤である。
即放性を持つ周辺部分と、徐放性を持つ中心部分の二重構造により、即効性と持続性を両立させ、1日1回の投与で効果を発揮する。
国内初となる徐放性製剤
トラマドール塩酸塩はドイツで合成された中枢性鎮痛薬で、世界100か国以上において種々の剤形で販売され、日本においても、麻薬及び向精神薬に指定されていない等の特徴から、非オピオイド鎮痛薬では治療困難な、がん疼痛及び慢性疼痛を有する多くの患者に使用されている。
国内ではこれまで、1日に複数回の服用が必要な即放性製剤としての販売しかされていなかったが、ワントラム錠はトラマドール製剤で国内初となる徐放性製剤となる。
同剤は長期間にわたり疼痛コントロールが必要な患者にとって、1日1回の経口投与で利便性が高く、安定した鎮痛効果を得ることができる。

日本新薬 ニュースリリース
http://www.nippon-shinyaku.co.jp/