プラザキサの特異的中和剤idarucizumab
2015年3月3日、ベーリンガーインゲルハイムは、経口抗凝固剤「プラザキサ」(ダビガトラン エテキシラート)の特異的中和剤「idarucizumab」について、北米・欧州の各当局へ販売承認申請を行ったことを明らかにした。
対象となるのはプラザキサの有効成分であるダビガトランの抗凝固作用を迅速に中和する必要のある患者。今回の申請は、新規経口抗凝固薬に対する特異的中和剤としては世界で初めての申請となる。今回同社が申請を行ったのは欧州医薬品庁(EMA)、米国食品医薬品局(FDA)、カナダ保健省。
「idarucizumab」は同社が研究開発中であり、FDAからは既に画期的治療薬(Breakthrough Therapy)の指定を取得済みとなっている。
急性および慢性の血栓塞栓症の予防・治療場面で
「プラザキサ」は急性および慢性の血栓塞栓症の予防・治療に使用される直接トロンビン阻害剤(DTI)だ。多様な作用を示すビタミンK拮抗薬とは異なり、同剤の抗凝固作用は有効かつ予測可能で再現性があることから、現在100か国以上で承認を取得済みとなっている。
「idarucizumab」は実際の使用頻度としては非常に少ないものの、「プラザキサ」を使用した際にダビガトランの抗凝固効果を迅速かつ持続的に中和させる必要が生じた際に有効となる。

ベーリンガーインゲルハイム プレスリリース
http://www.boehringer-ingelheim.jp/news/news_releases/