統合失調症患者のための服薬セルフモニタリングシステム
2015年3月9日、国立障害者リハビリテーションセンターは、慶應義塾大学、信州大学、国立精神・神経医療研究センターとともに、統合失調症患者のための服薬セルフモニタリングシステムを開発し、その検証実験を開始したことを明らかにした。
同システムはセンサ付服薬カレンダーと、携帯またはスマートフォンによる服薬状況・体調・気分のモニタリング機能からなる。これにより患者は携帯電話やスマートフォンで服薬状況と体調変化を確認できるようになるという。
検証実験は今年の2月から5人の統合失調症患者を対象に開始した。実験により、同システムによる服薬の安定化はもちろん、各協力者が生活場面で必要と考え、選出したテーマへの効果もチェックされる。
当事者参加を基本とした先駆的な取り組み
センサ付服薬カレンダーには日付ごとの透明ポケットがついており、それぞれに薬袋の有無を検知するセンサが取り付けられている。状況は無線機を経由してサーバーに送られ、患者自身が携帯またはスマートフォンで服薬状況をチェックできる仕組みだ。
服薬の継続が治療の重要な要素となる統合失調症において、訪問看護師などが不在であっても、患者が一人で服薬状況を管理できるようになることは画期的な効果をもたらす。同センターはこの研究が国内の統合失調症患者の在宅支援につながっていくとしている。
(画像はプレスリリースより)

国立障害者リハビリテーションセンター プレスリリース
http://www.rehab.go.jp/hodo/japanese/