期待通りの登録数を得ることができず
バイエルヘルスケア社は、3月5日、経口マルチキナーゼ阻害剤「レゴラフェニブ」の大腸癌を対象とする第3相臨床試験について、患者の登録を中止すると発表した。
同社は、様々な対策を講じたものの、期待通りの登録数を得ることができず、残念としている。
転移性大腸癌での適応は各国で承認済み
「レゴラフェニブ」は、バイエルが開発した化合物。腫瘍の増殖や進行に影響する血管新生や、発がんおよび腫瘍微小環境に関わる様々なキナーゼを阻害する作用を持つ。
非臨床試験において同剤は、腫瘍血管新生に重要な複数のVEGF受容体(VEGFR1-3)のチロシンキナーゼに対し、阻害作用を示した。また、病勢進行に影響を及ぼすキナーゼも阻害することがわかっている。
同剤は、転移性大腸癌の適応については、米国・欧州・日本など世界70カ国以上において「Stivarga/スチバーガ」の製品名で承認されている。
主要評価項目の解析前に中止
今回登録が中止された試験は、根治的肝転移切除後の大腸癌に対する補助療法としての「レゴラフェニブ」評価を目的とした、無作為化・二重盲検・プラセボ対照第3相臨床試験。
同試験の症例集積が困難であったことから、この度、試験の主要評価項目の解析前に今後の登録を中止することを決定したという。同社は、この決定が同剤の承認や適応追加に対する方針に影響を及ぼすことはないとしている。

レゴラフェニブの第3相臨床試験で患者登録を中止 - バイエル薬品株式会社
http://byl.bayer.co.jp/html/press_release/