田辺三菱製薬の子会社 メディカゴ社がエボラ抗体の代替製法の開発
田辺三菱製薬は、同社子会社でカナダに本社を持つメディカゴ社の研究が、米国保険福祉省の傘下のBiomedical Advanced Research and Development Authority、通称BARDAと契約を締結したと発表した。
植物によるタンパク質産生と精製技術を用いて開発した、エボラ抗体の代替製法が、可能となった。
メディカゴ社とBARDAの契約
BARDAは、米国生物医学先端研究開発局で、公衆衛生上の緊急事態のときに、必要となるワクチン、医薬品、治療法、診断薬の開発・購入などアプローチの提供を行う機関。
そのBARDAと感染症に幅広く対応する新規のワクチン開発や治療用のタンパク質を開発するメディカゴ社が契約をしたことで、国際社会で大きな問題となったエボラ出血熱に対して、非臨床試験用抗体の製造が可能となった。
エボラ出血熱の有効な治療法、医薬品、ワクチンは、いまだに存在していない。米国サンディエゴにある、マップ・バイオファーマシューティカル社が開発中のZMappがエボラ出血熱の治療手段として、期待が集まる。メディカゴ社の植物を用いてタンパク質を生みだし、抽出、精製する独自の技法が、米国政府に認められて、今回の契約となった。
エボラウィルスの撲滅へ
メディカゴ社は、エボラウィルス撲滅のための国際的な取り組みに参画している。メディカゴ社がZMappに用いられているエボラ抗体の代替製法を検討し、生産拡大に向けたプロセス開発や、非臨床試験用抗体の製造を行うことで、エボラウィルスの撲滅につながると期待している。

田辺三菱製薬 プレスリリース
http://www.mt-pharma.co.jp/