生物医学先端研究開発局との間で契約を締結
2015年2月25日、田辺三菱製薬株式会社は、同社の連結子会社が米国保健福祉省傘下の生物医学先端研究開発局(BARDA)と、エボラ抗体の代替製法の開発について契約を締結したと発表した。
同社の連結子会社であるメディカゴ社は、植物によるタンパク質産生および精製技術を用いたエボラ抗体の代替製法を開発中となっている。米国政府にこの技術力を評価され、同社はエボラ出血熱に対する治療手段として期待される「ZMapp」と同等の効果を持つ可能性がある3種のモノクローナル抗体について、タスクオーダーを受領したという。
この契約下でメディカゴ社は、ZMappに用いられているエボラ抗体の代替製法を検討する。さらに生産性拡大にむけたプロセスの開発と非臨床試験用抗体の製造も行うとしている。
新規の治療法が待ち望まれるエボラ出血熱
エボラ出血熱に対しては現在のところ、有効な治療法、医薬品、ワクチン等が存在しない。
メディカゴ社は、世界的な感染症に対する新規ワクチンや治療用タンパク質を開発するバイオ製薬会社である。遺伝子配列の同定から約一カ月で試験用製品を開発できる同社の技術力に注目が集まっている。
先駆けて行われた予備検討においては、同社の技術がエボラ抗体を短時間で大量に製造し、世界規模で供給できる可能性が示された。

田辺三菱製薬株式会社 ニュースリリース
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