がん専門誌「ANTICANCER RESEARCH」で発表
テラ株式会社は、樹状細胞ワクチン「バクセル」と抗がん剤の併用における膵臓がん患者の予後予測因子について、がん専門誌「ANTICANCER RESEARCH」にて発表を行った。
「バクセル」は、新規ペプチドであるWT1クラスⅡペプチド並びにWT1クラスⅠペプチドを用いた樹状細胞ワクチン。同社は、同ワクチンの第1相臨床研究を進めている。
リンパ球にがん細胞のみを攻撃させる
樹状細胞は、体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対し、攻撃指令を与える細胞。司令塔のような作用を持つ細胞だが、本来、血液中に多くは存在しない。
この樹状細胞を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印を認識させて体内に戻すのが、「バクセル」の仕組みとなる。樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させるという、新しいがん免疫療法だ。
薬事承認取得を目指す
同社は2010年8月、学校法人慈恵大学・東京慈恵会医科大学附属柏病院消化器・肝臓内科と共同研究契約を締結。進行膵臓がん及び進行胆道がんを対象として「バクセル」の安全性及び有効性を評価するための第1相臨床研究を共同で進めていた。
今回のがん専門誌発表では、同研究における治療前後の測定データを解析し、予後予測因子の探索を行った結果を発表。「バクセル」は、がん治療用の再生医療等製品として薬事承認取得を目指すとしている。

樹状細胞ワクチン「バクセル」と抗がん剤の併用における膵臓がん患者の予後予測因子についてがん専門誌に発表 - テラ株式会社
http://www.tella.jp/company/release/2015