ポートフォリオ見直しの結果によるもの
武田薬品工業は、TAKー361S(沈降精製百日せきジフテリア破傷風ワクチンにセービン株不活化ポリオワクチンを混合した4種混合ワクチン)の開発中止を発表した。同ワクチンは日本で臨床第2相試験まで終了していたが、研究開発資源について、最適な投資を行うという観点からワクチンポートフォリオを見直した結果による自主的な開発中止である。
日本では既に他社から4種混合ワクチンが安定的に供給されているため、同社はノロウイルスワクチンやデング熱ワクチン、インフルエンザワクチン、ヒブワクチン、エンテロウイルス71ワクチン(手足口病に対するワクチン)など、アンメットメディカルニーズが高いワクチンに対し、日本およびグローバルでの開発の強化を図る。
ノロウイルスやデング熱に対するワクチン開発を強化
アンメットメディカルニーズが高いだけではなく、日本政府により最優先課題として位置づけられているノロウイルス感染症予防のための最も開発ステージが進んだワクチンの開発や2014年に日本においても約70年ぶりに多くの感染者が出たデング熱に対するワクチンの開発を推進する。
これら2つのワクチンに関しては、2015年から2016年にかけてグローバルにおける臨床第3相試験を開始する予定。
そして、日本においては、2014年に細胞培養技術を利用し製造される新型インフルエンザワクチンの製造販売承認を取得。さらに、細胞内容季節性インフルエンザワクチン(TAKー850)の臨床第1/2相試験を実施中であり、2013年にはヒブワクチン(TAKー816)の製造販売承認を申請している。
同社は日本および世界の公衆衛生の向上のためにさらなる貢献が出来るように取り組んでいくという。

武田薬品工業ニュースリリース
http://www.takeda.co.jp/news/files/20150202_jp.pdf