肺炎球菌に肺炎球菌
富士フイルムグループの富山化学工業株式会社は1月14日、日本におけるマクロライド系抗菌剤「T-4288」の臨床第II相試験を開始したと発表した。
同剤の一般名ソリスロマイシンで、米国Cempra、Inc.が創製した新規マクロライド系抗菌剤である。
既販品のマクロライド耐性の肺炎球菌、マイコプラズマに対し強い抗菌活性を示すと共に、比較的高い免疫調整作用(抗炎症作用)を有している。
経口抗菌剤の新薬候補に
同社はCempra社と同剤の日本における開発、製造および販売の独占的権利に関するライセンス契約を平成25年5月8日に締結しており、同年9月から国内にて臨床第I相試験を開始し、同剤の安全性および忍容性を確認している。
今回の臨床第II相試験は、市中肺炎患者を対象に、経口で反復服用した場合の同剤の有効性、薬物動態および安全性の検討を行う。
欧米においては、平成24年12月から中等症から重症の市中肺炎患者を対象とした臨床第III相試験が進行しており、小児を対象とした臨床前期第I相試験が終了している。
日本においては、経口抗菌剤の新薬候補が少なくなる中、新しいマクロライド系抗菌剤に対して、高いニーズがある。
同社はこれまで創製してきたペニシリン系、セフェム系、キノロン系の抗菌剤に、マクロライド系抗菌剤を加えることで、抗感染症領域の薬剤をさらに充実させるとしている。

富山化学工業株式会社 ニュースリリース
http://www.toyama-chemical.co.jp