ENESTnd試験における6年のフォローアップデータ
2014年12月8日、ノバルティス ファーマ株式会社は、初発のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)患者を対象とした無作為化第3相臨床試験(ENESTnd試験)の6年間のフォローアップデータにおいて、「タシグナ」が「グリベック」を上回る成果を残したと発表した。
「タシグナ」は同社が販売する抗悪性腫瘍剤で、イマチニブ抵抗性の慢性期又は移行期の慢性骨髄性白血病(CML)治療薬として日本で発売されている。
今回の発表によれば、「タシグナ」の投与を受けた患者は、これも同社が販売する分子標的薬「グリベック」の投与患者に比べ、Ph+CMLの原因となるタンパクが極めて少量レベルであることを指すMR4.51を含む深い分子遺伝学的効果の早期達成、持続的な効果がより高い確率で認められたという。
無作為化・オープンラベル・多施設共同の第3相試験
ENESTnd試験は経口治療薬「タシグナ」と「グリベック」の有効性および安全性を比較することを目的に実施されている、過去最大規模の国際無作為化比較試験だ。初発慢性期にあるPh+CMLの成人患者846名を対象に、世界各地の217施設で実施されている。
6年間のフォローアップデータでは、上記で示した成果のほか、72カ月時点において病期が移行期や急性転化期に進行しなかった患者の割合においても「グリベック」投与群が92.2%にとどまったのに対し、「タシグナ」投与群は95%を超えた。
これらのデータは第56回米国血液学会の年次総会で発表されている。

ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2014/pr20141218.html