進行または転移性胃/胃食道接合部を対象に
独メルク社(以下、メルク)と米ファイザー社は、2016年1月15日、開発段階にある免疫療法剤avelumabの二つの第III相試験を2015年12月9日に開始したと発表した。
臨床試験で対象とするのは、進行が早く、治療が困難である転移性胃/胃食道接合部(以下、胃/GEJ)がんで、ファーストラインとサードラインを評価する。
完全ヒト型抗PD-L1 IgG1モノクローナル抗体のavelumabについては、乳がん、胃/GEJがんをはじめとする15種類を超えるがん種を対象にした臨床開発プログラムが行われている。今回の北米における臨床試験は米国とカナダのメルクのバイオ医薬品部門、EMDセローノが実施する。
二つの試験デザイン
ファーストライン試験は国際多施設共同・無作為化・非盲検第III相試験。「化学療法からavelumabによる免疫療法への切り替え」と「化学療法の継続」を比較するもので、既存の白金製剤を含む化学療法に対して、免疫療法avelumabの優越性を全生存期間(OS)に基づいて検証する。アジア太平洋、欧州、北米、南米の施設220以上で629名の患者が参加を予定する。
サードライン試験は国際多施設共同・無作為化・非盲検第III相試験で、治験担当医師が規定の治療選択肢から選んだ化学療法に対して、avelumabによる免疫療法の優越性をOSに基づいて検証する。アジア、オーストラリア、欧州、北米、南米の施設約170で約330名が参加する予定である。

ファイザー株式会社・メルクセローノ株式会社 プレスリリース
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