新規治療薬の研究・開発・製品化を行う
武田薬品工業株式会社とカナダenGene社は、1月12日、消化器系疾患に対する新規治療法開発に向けた戦略的提携を行う契約を締結したと発表した。
この提携契約は、enGene社の遺伝子導入基盤技術である「Gene Pill」を活用し、専門的な消化器系疾患領域に対する新規治療薬の研究・開発・製品化を行うというもの。
enGene社の知的財産の活用が可能に
バイオテクノロジー企業であるenGene社は、幅広く応用可能な非ウイルスベクター技術を持つ。腸管の粘膜細胞に遺伝子を送達するこのベクター系は、経口もしくは注腸にて腸管への投与が可能であり、enGene社はこの技術を経口投与可能な「Gene Pill」として開発。将来、広範にわたるタンパク薬の経口投与が可能となる可能性がある。
武田薬品は今回締結した提携契約により、治療遺伝子を腸管の内膜細胞に送達するenGene社の専門技術ならびに知的財産の活用が、可能となる。
「Gene Pill」技術を追求
今回の契約に基づきenGene社は、武田薬品が選定した最大2つの新規創薬ターゲットについて、前臨床のPOC試験から臨床試験実施申請が可能となる試験までを行う。武田薬品は、創製された候補物質について、臨床試験実施申請が可能となる試験の段階で全世界対象の独占的使用権を行使するオプション権を持つことになる。
武田薬品は、抗体の経口投与を可能にすべく「Gene Pill」技術を追求するとしている。

武田薬品とenGene社の消化器系疾患に対する新規治療法開発に向けた戦略的提携について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2016/