オーストラリアで臨床試験
オンコセラピー・サイエンス株式会社は、2016年1月5日、開発中のMELK阻害剤OTS167について、同国医療機関の倫理委員会の承認を受け、第I相臨床試験をオーストラリアで開始することを明らかにした。
OTS167は新しい作用機序をもつ分子標的治療薬で、その標的はMELK(Maternal Embryonic Leucine zipper Kinase)である。
MELKはゲノム包括的遺伝子解析で発見された新規キナーゼで、OTS167がMELKの発現するがん種に有効であると考えられている。動物試験では、肺がん、前立腺がん、乳がん、膵臓がんなどの複数のがん種で抗腫瘍効果を発揮している。
経口投与が目標
同社は、米国シカゴ大学でOTS167の安全性、有効性、薬物動態を実証する臨床試験を行い、対象の固形がん患者に静脈内投与を実施中である。経口投与での臨床試験の手続きも完了させており、将来的には利便性の高い経口製剤を目標としている。
今回のオーストラリアでの臨床試験は、OTS167の経口投与による消化管吸収性(バイオアベイラビリティ)などを確認するもので、健常成人を対象に行う。この臨床試験で経口吸収性によい結果が得られれば、経口製剤の臨床開発を早めることにつながるという。

オンコセラピー・サイエンス株式会社 ニュースリリース
http://www.oncotherapy.co.jp/