突発性肺線維症を対象とした核酸医薬品について契約を締結
ボナックと東レは突発性肺線維症を対象とした核酸医薬品(BNC-1021:ボナック開発コード/TRK-250:東レ開発コード)について2015年12月25日付けで日本におけるライセンス契約を締結したことを発表した。
今回の契約により、東レとボナックは同剤の開発を実施し、東レはボナックより日本における同剤の独占的開発権や販売権、原薬を除く製造権を取得。そして東レはボナックに対し、契約締結に伴う一時金や開発の進捗状況に応じたマイルストンおよび上市後の製品売上に応じたランニングロイヤリティを支払うこととなる。
BNC-1021/TRK-250
同剤は、肺の線維化に関係する主な増殖因子であるTGF-βタンパク質の発現のみを遺伝子レベルで阻害。その結果、線維化の進行が阻止されると考えられている。
また、同剤はボナック独自の核酸医薬プラットフォームを使用しており、他にはない分子内構造を持つ一本鎖長鎖核酸であるという特徴がある。
核酸医薬は安定性に関しての課題を抱えているが、同剤はこの課題を解決した新規の核酸医薬品となることや吸入剤として肺に直接投与することによって、効率よくターゲットとなる組織に届くことが期待されている。
核酸医薬品
核酸医薬品はDNAやRNAの働きを利用し、病気の原因となる遺伝子やタンパク質に働きかける医薬品。副作用が低減される新規の治療薬として見込まれており、低分子医薬品や抗体医薬品に続く次世代の医薬品として位置づけられている。

ボナック/東レ ニュースリリース
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